酵素で認知症予防

近年、認知症の患者数は増加の一途をたどっていますが、その認知症の発症原因については完全に解明されていません。

 

しかし日頃から体内の酵素を増やすことは認知症の予防にもつながります。その理由は、酵素は糖化タンパクなどによってドロドロになった血液をサラサラにしてくれるからです。

 

先程、認知症の発症原因については分かっていないと述べましたが、「AGEs」と呼ばれるものが、アルツハイマー型認知症の発症のひとつの要因であると思われます。

 

「AGEs」は日本では老化を促す原因だとして注目されるようになってきていますが、その「AGEs」とは、糖化反応によって形成される「終末糖化産物」のことだと言います。

 

デイヴィッド・パールマター氏はこの「AGEs」について、『「いつものパン」があなたを殺す』のなかで以下のように説明しています。

 

 糖化反応とは、糖分子がタンパク質、脂肪、アミノ酸に結合することを意味する生化学用語だ。糖分子自身が結合し、自然発生的に起こる反応で、メイラード反応と呼ばれることもある。

 

  (中略)

 

 このプロセスは終末糖化産物(通例、AGEsと略記される)を形成し、このAGEsによってタンパク質の繊維がゆがめられ、硬くなってしまう。

 

 年相応に老化しているヒト、つまりシワやたるみ、肌の変色があり、また加齢によって輝きが失われた人を見ると、AGEsの作用がわかる。その身体的影響は裏切り者である糖と手を組んだタンパク質によるものであって、AGEsが肌の老化において重要な役割を果たしている理由の説明にもなる。

デイヴィッド・パールマター『「いつものパン」があなたを殺す』白澤卓二訳 p179~180

 

 AGEsは、炎症がもたらすダメージの原因となるだけではなく、血管に対するダメージも伴い、さらには糖尿病と血管にかかわる問題にもつながる。

 

 冠動脈性心疾患や脳卒中のリスクが糖尿病では大幅に増えるのだ。糖尿病を抱える多くの人は脳に血管を供給する血管にかなりのダメージを受けている。その血液供給の問題が原因となり、アルツハイマー病ではなくても認知症に苦しむ可能性がある。

 

 先に、LDL、いわゆる悪玉コレステロールは、脳に欠くのできないコレステロールを運ぶ大切な運搬体のタンパク質であると説明した。このLDLは酸化されるときにかぎって血管を破壊する。加えてタンパク質であるLDLは糖化されるとき、劇的に酸化を増大するのだ。

 

 酸化ストレスと糖質は明らかに結びついている。タンパク質が糖化されると、産生されるフリーラジカルの量は五〇倍に増え、これがきっかけで細胞の機能を失われ、結果的に細胞は死んでしまう。

 

 悲しいことに、アルツハイマー病、パーキンソン病、ルー・ゲーリッグ病のような深刻な神経障害の診断が下されるまでにすでにダメージは生じている。つまり、脳に損傷を与える酸化ストレスの活動を軽減したいなら、糖化に利用される糖質を減らさなくてはならない。

(デイヴィッド・パールマター『「いつものパン」があなたを殺す』白澤卓二訳 p182~183)

酵素で認知症予防

酵素で血液をキレイにして認知症予防

 

しかし冒頭でも述べたように、酵素には、このAGEs(糖化タンパク)や、酸化油脂などの悪い油が増えたりしてドロドロの状態になった血液をキレイにし、血流を改善する働きがあるのです。

 

糖化タンパクや酸化油脂などは、元々ばらばらでなくてはいけない赤血球の間に入り込んで、糊の役目をし、赤血球同士をくっつけてしまうのです。

 

これは「ルロー」と呼ばれていますが、赤血球は2個つながっただけでも極細血管に入れなくなると言います。

 

そうなってしまうと、全身に酸素も栄養素も回らなくなり、組織は飢餓状態になってしまうと言います。このような状態になることで発生してしまうのが「活性酸素」です。

 

活性酸素は細胞核のなかのDNAを傷つけたり、破壊したりすることで、突然変異を起こすようになります。それにより、細胞のがん化へと発展していく可能性が生じてくるのです。

 

また活性酸素が増えすぎることは、アルツハイマー型認知症の発症に深く関わっているとされています。

 

そして、この赤血球に生じた「ルロー」をほどくことは、酵素にしか出来ないのです。

 

つまり、酵素は「ルロー」をほどいて血液の流れを良くするその役割を果たしてくれるのです。

 

ちなみに、このルローをほどくのは主に代謝酵素だとされていますが、食べ物に含まれる食物酵素も体内で吸収され、血中でルローをほどいてくれるのだといわれています。

 

また、酵素によって血液がサラサラになることは、脳卒中のリスクを下げることにもつながります。

 

そのため、認知症予防で大切になってくるのは、日頃から体内酵素を増やすための習慣をもつことだと考えられます。

 

さらに、白砂糖や人工甘味料の摂りすぎは、血糖値の乱高下やAGEsの増加につながり、アルツハイマー型認知症の発症リスクを高めてしまいます。そのため、白砂糖や人工甘味料がたくさん使われている甘い物の摂りすぎは、認知症予防のためには避けることが大切です。

 

それに加えて、認知症患者の方は悪玉菌が優勢で便秘気味であると言われているため、普段から腸内細菌のバランスを整え、多様な腸内細菌の集まりである腸内フローラを改善していくことも、認知症予防のためには重要です。

認知症予防