代謝酵素の働き

酵素の働きには「代謝」と「消化」の二つがありますが、酵素の「代謝」の働きとは一体どのようなものでしょうか?


代謝」とは簡単に言えばエネルギーの生産と消費のことなのですが、違う言い方をすると、生命維持のために有機体が行う一連の化学反応のことで、大きく分けると「異化」と「同化」に区分されます。


異化」とは、物質をばらばらにすることで、分子を小さな構成部分に分解し、エネルギーを取り出す代謝過程のことを指しています。例えば、炭水化物であれば細 胞は取り込んだ糖を分解して、二酸化炭素と水にしますが(この二酸化炭素と水は体外に排出されます)、その異化の過程で様々な生命活動に必要なエネルギーを生み出しているのです。


また、「同化」とは、「異化」によって作り出されたエネルギーを使うことで、より単純な化合物から自身の体の部品を作り出す反応のことを言います。要するに気管や組織を組み立てることであり、この「同化」によって、骨の成長や筋肉の増加などのように、細胞は成長、分化し、複雑な分子が構成されて個体は大きくなっていくのです。


つまり、「代謝酵素」は免疫機能や自然治癒力の維持をはじめとして、細胞の修復や、神経やホルモンのバランス調整、代謝促進など、ありとあらゆる生命活動に関わっているのです。


糖質や脂質などの代謝の際にはたらく代表的な酵素には、ピルビン酸脱水素酵素、フラビン酵素、ピルビン酸カルボキシラーゼ、ホスホチロシンホスファターゼなどがあります。

代謝酵素の働き―酵素免疫生活