補酵素としてのビタミンC

ビタミンC(アスコルビン酸)の摂取は風邪やインフルエンザの予防に効果的だとされていますが、実はビタミンCには、酵素の働きを助ける補酵素としての役割が与えられています。

 

小腸から吸収された後、ビタミンCは肝臓に運ばれ、そこから血流に乗って全身の組織に送られるのですが、強い抗酸化作用があるため、様々な酸化還元反応に関わっています。

 

そのため、ビタミンCは、ヒドロキシルラジカルや過酸化水素といった活性酸素の消去など、多くの生理作用に役立っています。

 

さらにビタミンCは、体内たんぱく質の約3分の1を占めるコラーゲンの合成を助け、皮膚のシミやしわを防ぎ、傷や火傷の治りを良くします。ビタミンCが欠乏で起こる壊血病は、コラーゲンの合成不足が原因です。

 

しかもビタミンCは、肝臓の薬物代謝に関わる酵素を活性化し、解毒作用を高めるほか、腸管からの鉄の吸収率を高め、過酸化脂質の生成を抑えます。

 

そのほか、抗ストレスホルモンの合成にも関わっているため、ストレスを感じることが多ければ多いほど、こまめなビタミンCの補給が必要になります。

 

ビタミンCを多く含んでいる食品としては、柑橘類、赤ピーマン、ブロッコリー、じゃがいも、アセロラなどが挙げられますが、アスコルビン酸粉末を水に溶かして摂るようにすることも、ビタミンCのこまめな摂取のために効果的です。

アスコルビン酸粉末
こちらがアスコルビン酸粉末。

欠乏症に関しては、代表的なものとして毛細血管がもろくなる壊血病が挙げられます。過剰症については、尿として速やかに排泄されるため、特に報告はありません。

 我がビタミンCには、補酵素としての役割が与えられている。ビタミンCに関わる病気として、免疫系の障害によるもの、血液凝固系の障害によるもの、腎機能低下によるもの、結合組織生成阻害によるもの、神経系機能不全によるもの、エネルギー不足によるものなどのあることを考えれば、このビタミンの守備範囲の広さを思い知らされるではないか。

 

(三石巌『ビタミンC健康法』p57)